第1376号
ポコのPLC探偵日記:
モード切替えの“時間”を設計する
こんにちは、千田です。
前回は、
自動走行から手動走行への切替え“18秒”を
どう検証するかを考えました。
今回はもう一歩踏み込み、
その「切替え時間」そのものを
制御の視点で考えてみます。
■ モードは、いつ切り替わるのか?
自動→手動、
手動→自動。
モード切替えは、
あたり前のように起きていますが、
実際には“時間の設計”が存在します。
切替えた瞬間、
どの制御レイヤーが動くのか?
どの層が遅れて反応するのか?
ここを設計しなければ、
「切り替えたつもり」で
実際は切替わっていない状態が生まれます。
■ 人の感覚のしきい値
私の経験では、
人は 100msec(0.1秒)以内の変化 は
違和感を感じません。
逆に、100msecを越えると
「遅い」「反応しない」と感じます。
■ 制御の世界のしきい値
PLCの世界では、
スキャンタイムは 10msec以下。
つまり、人の感覚より
10倍以上速い世界で動いています。
一方で、HMIや画面表示では
100msecを越える場合も多く、
この“見た目の遅れ”が
人の誤操作や不信感を生みます。
■ 衝突センサーの応答時間
さらに上位には、
安全レイヤー(レベル2) が存在します。
衝突検知などの安全信号は、
10msec以下 の反応が必須。
ここが遅れれば、
物理的な事故につながります。
■ レイヤー構造で設計する
こうしてみると、
モード切替えには、
少なくとも次の3層があります。
① 操作層(人の認知)100msec以内
② 制御層(PLC・通信)10msec以下
③ 安全層(緊急検知)1msec以下
どの層を優先するか、
どの層で遅延を許すか。
これを設計の段階で明確に定義する
ことが、安全システムの基本です。
■ まとめ
モード切替えとは、
単なるスイッチ操作ではなく、
“時間をデザインする仕事”です。
人が感じる0.1秒の中で、
どの層が反応し、
どの層が待つのか。
この時間設計こそ、
自動運転・PLC・DCSに共通する
見えない品質の基準です。
