PLCで実装するDCS設計:アドバンス編

 

実践編を中心にした講座は、こちらです。

 

 

コース紹介は、以下のURLから

 

PLCエンジニアのためのDCS(分散制御)設計入門:ベーシック編

 

DCS(分散制御)という新しい設計講座がはじまりました。

 

コース紹介は、以下のURLから

ここまでのシリーズで
「意図ログ」という考え方を
取り上げてきました。
今日は一歩進めて、
意図ログは、
なぜ“改善活動”に
つながるのか?
という視点で考えます。
────────────
■ 再発防止が
うまくいかない理由
────────────
現場でよくあるのが、
・エラーが起きた
・対策をした
・しばらくして再発
という流れです。
なぜか?
多くの場合、
残っているのは
「結果」だけだからです。
何が起きたか
(エラー・停止・異常)
は残っている。
でも、
・なぜそう操作したのか
・どんな状況だったのか
が残っていません。
────────────
■ 意図ログが残すのは
「人の判断」
────────────
意図ログは、
単なる操作履歴ではありません。
残すのは、
・目的(Why)
・状況(Situation)
・行動(Action)
という
判断のセット です。
つまり、
「なぜその操作を
しようとしたのか?」
が、後から見える。
ここが
従来のログとの
決定的な違いです。
────────────
■ 改善活動につながる理由
────────────
意図ログがあると、
・人が迷った場面
・判断に詰まった場面
・画面がわかりにくかった場面
が浮かび上がります。
これは
個人のミスではなく、
設計の課題
HMIの課題
として扱える情報です。
だから、
改善活動につながるのです。
────────────
■ HMIは
「記録装置」ではなく
「学習装置」へ
────────────
意図ログを前提にすると、
HMIの役割が変わります。
操作させる画面
判断を支える画面
改善につなげる画面
HMIは、
チーム全体が学ぶための
装置になります。
────────────
■メンテ手動画面の例について
────────────
今回紹介した
意図ログ入力を前提にした
メンテ手動画面の例は、以下です。

第1401号 なぜ「再発防止」につながるのか?

 

メンテ手動画面の例

 

意図ログは、単なる操作履歴ではありません。

残すのは、

・目的(Why)
・状況(Situation)
・行動(Action)

 

という判断のセット です

 

なぜ「再発防止」につながるのか?

が、後から見える。

 

第1400号:どうHMI画面になるのか?

意図ログの基本構造として

 

・目的(Why)
・状況(Situation)
・行動(Action)

 

3つの軸を1レコードにまとめる

 

どうHMI画面に落とすのか?
を具体的に見ていきます。
■ 現場でよくある光景
メンテ中に
手動ボタンを押す。
…動かない。
代替ボタンを探す。
さらに迷う。
結果、
「なぜ動かないか」は
人の頭の中にしか残らない。
これが
トラブルが再発する
最大の原因です。
■ 三軸は「画面の役割分担」で解決できる
新しいHMIでは、
画面をこう分けます。
左:目的(Why)
中央:状況(Situation)
右:行動(Action)
この並びが
判断の順番そのもの
になります。
■ ① 目的は「書かせない」
目的は
文章入力ではありません。
「安全確認」
「異常調査」
「メンテナンス動作」
など
選ぶだけ。
これだけで
意図は十分に残せます。
■ ② 状況は「判断材料だけ見せる」
すべての信号を
表示しません。
・今のモード
・止めている理由
・重要な現在値
なぜ今できないのか?
が一目で分かること。
これが安心です。
■ ③ 行動は「並べない」
ボタンを
全部並べると迷います。
・今やるべき操作
・条件付きで可能な操作
・理由付きで不可な操作
この3段階で
HMIが判断を誘導します。
■ 結果、何が変わるのか?
・操作ミスが減る
・説明がいらなくなる
・ログがそのまま報告書になる
そして何より、
人が考える余裕が生まれる。
■ 【探偵ポコ】今日のひとこと
「HMIはね、
操作盤じゃないんだ。
人が
“正しく迷える”

 

ための地図なんだよ。」

 

ポコのPLC探偵日記:掲載中

以下でブログへリンク

 

PLC探偵犬ポコの登場

 

シーン別の動作解析

 

  • 起動状態
    「デモ:ON」表示。ストッカーに洗濯カゴがスタンバイ。

  • 搬入動作
    エレベータとクレーンが同期し、洗濯カゴをピックアップ。

  • 洗濯投入 → 稼働
    洗濯機に投入され、一定時間稼働。

  • 洗濯完了 → 搬出
    洗濯済みカゴをReturn処理でストッカーに戻す。
    右下の「洗濯完了」カウンタが加算。

  • 次サイクルへ移行
    新しいカゴが呼び出され、繰り返し自動実行。

Demoモードの特徴

 

  • 人間オペレータを模擬
    → 1人のオペレータが操作しているかのように、自動で「搬入・洗濯・搬出」を繰り返す。

  • モジュール化された制御
    → PLC内で「Demoモジュール」を用意し、通常操作を代替する信号を生成している。

  • 実機なしでも挙動を確認可能
    → SoftGOT上で動作を視覚化でき、現場導入前に「全体フロー」を検証できる。

 

1️⃣ お急ぎモードとは?

通常モードでは
「ストッカ → クレーン → 洗濯機」
という流れで進みます。

一方で お急ぎモード をONにすると、
ストッカを経由せず 直接クレーンが搬入
洗濯終了後もストッカを待たずに、
そのままエレベータが下降して
「洗濯完了」を伝えます。


2️⃣ 動作の流れ(図解イメージ)

[通常モード] ストッカ → クレーン → 洗濯機 ↑ ↑ ↓ 保管 搬入 洗濯→搬出 ↓ ↓ ↓ ストッカへ戻す エレベータ下降
[お急ぎモード] クレーン → 洗濯機 ↑ ↓ 直搬入 洗濯→搬出 ↓ エレベータ下降

3️⃣ 技術的な背景

🔹 管制塔の役割

管制塔は、状況に応じて「通常ルート」か「お急ぎルート」かを判断します。
この切り替えは、オペレータがモードボタンで選択。
ボタンの色が変化することで、
状態を一目で確認できる見える化 を実現しています。

🔹 Loopsの役割

  • ストッカ用Loops:フォーク動作をスキップ

  • クレーン用Loops:直行ルートを生成

  • 洗濯機用Loops:待機を省略し、投入後すぐスタート

Loopsが「仮想実機」として振る舞うことで、
実際の機械がなくても検証可能です。

🔹 カゴの状態管理

カゴには数値コードを割り当てています:

  • 0=カゴ無し

  • 1=カゴだけ

  • 2=洗濯モノ1つ

  • 3=洗濯モノ2つ

  • 4=洗濯モノ3つ

  • 5=洗濯後用の空カゴ(赤色表示)

このコード変化が、
「どの状態で次にどう動くか」を
Loops制御とアニメ表示に直結しています。


4️⃣ 見える化の効果

GIF動画でも確認できるように、

  • モードボタンの色変化

  • カゴの赤色化(洗濯後用の空カゴ表示)
    といった工夫により、

ユーザーは複雑な制御を理解せずとも
直感的に状態を把握できる ようになります。


5️⃣ ADVとしての意義

「お急ぎモード」は、単なる省略ではありません。

  • ユーザーが選べる柔軟性

  • 管制塔による全体の最適化

  • Loopsによる仮想的な動作検証

これらが組み合わさり、
まさに ADV(Animation × Distributed Control × Visualization)
の成果物として機能しています。


✨ まとめ

 

「お急ぎモード」は、
ADVの本質である ユーザーファーストの制御 を実現する機能です。
ストッカを経由しない直行ルートは、
スピードを求める現場や緊急対応に有効であり、
設計支援ツールとしてのGOTアニメ表示の可能性を
さらに広げる事例となりました。

2025年9月4日 もっと一瞬で読み取れたら— 管制塔モジュール

お急ぎモードとは?

通常は「ストッカ → クレーン → 洗濯機」という流れで進むところを、
ストッカを経由せずにクレーンが直接搬入する 特別ルートです。

 

このモードをONにすると、洗濯カゴは赤色になり、
「洗濯後の空カゴ」として扱われます。
そのまま待機 → 搬出後に自動的にエレベータが下降し、
洗濯完了を伝えます。

 技術的な仕組み

 

  • 管制塔の判断
    通常ルートか、お急ぎルートかを管制塔が選択します。

  • Loopsの役割

    • ストッカ用Loops:フォーク動作を省略

    • クレーン用Loops:直行ルートを生成

    • 洗濯機用Loops:待機を挟まず即スタート

  • 見える化の工夫
    ボタンやカゴの色を変えることで、
    ユーザーが状態を直感的に理解できるようにしています。

✨ ADV的な意味

この「お急ぎモード」は、単なる省略動作ではありません。

  • ユーザーの選択を尊重する柔軟性

  • 直感的に分かる見える化

  • 管制塔の存在意義の可視化

 

まさに ADV(Animation × Distributed Control × Visualization) の考え方が形になった例です。

管制塔モジュールの成果

 

お急ぎモードON

・右側の「お急ぎ:OFF」が「ON」に変わる。

・通常モードではストッカ経由ですが、このモードではカゴをストッカに戻さず直接クレーンが動きます。

 

ローダの動作

・カゴをストッカからピックアップ後、すぐにクレーンへ渡し → 洗濯機へ搬入。

・カゴが「赤色」に変わり、洗濯後用の空カゴとして認識されます。

 

洗濯機の挙動

・カゴが投入されると即スタート。

・待機時間を短縮できるのが「お急ぎモード」の特徴。

 

終了処理

・洗濯完了後、搬出指令。

・そのままエレベータが下降し、洗濯完了を伝える。

・ストッカに仮置きせず、直帰型のフロー。

📩 管制塔モジュールの紹介

― 全体をまとめる「監督・指揮者」の役割

1️⃣ 管制塔とは?

管制塔は、各モジュールを統括する
「監督」や「指揮者」のような存在です。

洗濯機、ローダ、ストッカが
独立して動くだけでは不十分。
次に何を優先すべきかを
判断・誘導するのが管制塔です。


2️⃣ オペレータとの関係

NEXTカゴを投入すべきか、
完了カゴを先に出すべきか。
最終判断はオペレータに依存します。

そこで管制塔は、
適切なタイミングでメッセージを点滅させ、
「Restartを押してください」と誘導します。

人と機械が一緒に考える仕組みが、
ADVの本質でもあります。


3️⃣ 裏方の重要な仕事

さらに管制塔は、

  • ストッカーへの入出庫指令

  • クレーンへの搬入・搬出指令
    といった裏方の動きを統括します。

これにより全体の流れが滞らず、
複数モジュールが調和して動きます。


4️⃣ まとめ

 管制塔は全体をまとめる指揮者

  • オペレータを誘導して次の行動を明示

  • 裏方ではストッカーやクレーンを制御

  • ADVにおける「人と機械の協調」の象徴

管制塔が必要になる理由

 

どちらの仕事を優先しますか?

 

先にNEXTカゴを搬入するか?

先に洗濯完了カゴを出庫するか?

搬出シーケンス

 

  • 洗濯終了信号を出力

  • 洗濯機ブロックのLoopsが「搬出要求」を発令

  • ローダが洗濯物を搬出・積載

  • カゴは赤色(洗濯後用)としてストッカに戻る

搬入シーケンス

 

  • 洗濯機ブロックが「搬入要求」を発令

  • ローダがNEXTカゴを搬入

  • 搬入完了信号を受けて洗濯機がスタート

 

2025年9月2日 ローダと洗濯機のタイミング連携

1️⃣ NEXTカゴの準備

 

ストッカー連携により
NEXTカゴが待機位置に配置。

 

2025年9月3日 スマートランドリーの自動運転

2025年8月28日 仮想スマートランドリーのGOT画面

スマートランドリー事例編 - モジュール連携

SEMI AUTOを紹介

 

ストッカのエレベータ階を選択すると

その階で停止

 

ーXと+Xのボタンでフォークの

前進・後退が動作します。

随時、追加していきます。

📩 第1325号:スマートランドリー事例編

― 洗濯機+ローダ/アンローダ連携

こんにちは、千田です。
今回はスマートランドリーの
洗濯機モジュールと
ローダ/アンローダ連携

LoopsとGOT表示で解説します。


1️⃣ 操作画面の構成

画面左側にはストッカ操作用
エレベータの上下ボタンを配置。
最上階は4F停止ボタンです。

画面下部には手動切替や
上下左右ボタン、
SEMI AUTO、FULL AUTO、
スタートボタンが並びます。

ボタンはランプ付きで
モード選択すると色が変わり
状態が一目でわかります。


2️⃣ FULL AUTOの流れ

  • FULL AUTOを選択しスタート

  • ローダが2Fのカゴからピック

  • 洗濯機へ投入しカゴが空に

  • 洗濯機が自動でスタート

洗濯中は次の洗濯カゴを
ストッカに準備し、
スムーズに次サイクルへ。


3️⃣ 他モードの活用

手動モードやSEMI AUTOでは
部分的にボタンで操作します。
動画ではモード切替ごとの
違いも確認できます。

👉 GIFと静止画はこちら:
スマートランドリー動画


4️⃣ 今回のまとめ

 

  • ローダがアンローダを兼務

  • FULL AUTOで連続処理可能

  • Loops制御で座標と動作を生成

  • GOTで操作と反応を見える化

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