第1382号
ポコのPLC探偵日記:
自動運転にも“黄色信号”が必要だ
こんにちは、千田です。
名古屋の自動運転実証事故では、
「自動走行から手動走行に切り替えて
18秒後に衝突」というFACTが
報告されました。
しかし、行政の説明には
“なぜ手動に切り替えたのか?”
という核心がありません。
今回はその理由を
日常の運転から見直してみます。
■ 黄色信号が教えてくれること
交差点の黄色信号は、
“まもなく赤になります”
という予告シグナルです。
この「予告」こそ、
人の判断を守るHMIです。
自動運転には、
この黄色信号に相当する
“切替えの見える化”が
欠けています。
■ ブレーキランプは自分に見えない
クルマのブレーキランプは
自分には見えません。
回生ブレーキが増えた今では、
アクセルを離すだけで減速するため、
後続車にも“減速の理由”が
見えにくい状況です。
これだけで不安が生まれます。
■ 高齢者の踏み間違え事故も同じ構造
ブレーキを踏んでいない、
アクセルを踏んでいる──
本人が“事実に気づけない”
ここに悲劇の本質があります。
つまり、
操作のFACTが見える化されていない。
■ ACCの不安も同じ構造
アダプティブ・クルーズ・コントロールは
とても便利ですが、
市街地では怖く感じる場面があります。
これは、
「どこまで任せていいのか?」
が見えないからです。
■ なぜ手動に切り替えたのか?
自動運転車の運転者も同じです。
何を認識しているのか
何を判断しているのか
次にどう動くのか
これらが見えないから、
“自分で操作した方が安心”
と判断したのでしょう。
■ 行政が扱わない
“本当のFACT”とは?
行政の報告は
「手動運転中の操作ミス」
と締めています。
しかし技術者視点では、
“なぜ切替えが必要に感じたのか”
が最重要です。
実証実験とは、
本来こうした
人と機械の境界にあるFACT
を拾い上げてこそ価値があります。
そこを扱わない限り、
未来に求められる
自動運転の安全性は
前進しません。
■ まとめ
黄色信号の本質は
「切替えの予告による安心」。
自動運転にも、
この“安心のHMI”が必要です。
行政が扱わないFACTを
私たちエンジニアが拾い上げ、
社会に返していく。
その姿勢こそ、
これからの日本に必要な
技術文化だと感じます。
